パーソナルジム会員の継続率を上げた5つの方法【cortisジム3年間・退会率データ公開】
「入会させるより、続けてもらう方が難しい」
これはジム経営を始めて最初に気づいたことだ。横浜cortisパーソナルジムを3年経営した中で、継続率を上げるために試して効いた5つの方法を公開する。
はじめに:ジム経営における継続率の重要性
パーソナルジムの経営において、「新規入会」より「継続」のほうが数十倍重要だ。
計算してみるとわかる。
月会費45,000円のジムで:
- 継続率50%(平均2ヶ月で退会)→ 顧客生涯価値 = 90,000円
- 継続率80%(平均5ヶ月継続)→ 顧客生涯価値 = 225,000円
同じ新規顧客1人でも、継続率が違うだけで売上が2.5倍になる。継続率を上げることは、集客コストを削減しながら売上を増やす最も効率的な方法だ。
多くのパーソナルジムオーナーが集客広告に月数十万円を費やしながらも、肝心の継続率を改善しないまま「次の新規」を追い続けている。これは「バケツに穴が開いたまま水を注ぎ続ける」ようなものだ。穴を塞ぐ(継続率向上)のが先決だ。
cortisパーソナルジムの継続率データ(3年間の推移)
3年間の経営を通じて把握してきた数字:
- 1年目(継続率向上施策なし):3ヶ月継続率 約55%
- 2年目(紹介制度・LINEフォロー導入後):3ヶ月継続率 約72%
- 3年目(以下5施策フル実施):3ヶ月継続率 約83%
業界データでは「パーソナルジムの3ヶ月継続率は平均60〜70%」とされており、現在はこれを上回る水準に達している。1年目から3年目で継続率が28ポイント向上したことで、同じ集客数でも売上が大幅に伸びた。
具体的には、月10名の新規入会を維持した場合:
- 1年目(継続率55%):平均継続2.2ヶ月 → 月売上水準は低い
- 3年目(継続率83%):平均継続5.9ヶ月 → 月売上は1年目比で約2.7倍
集客予算を1円も増やさずに売上が2.7倍になる。これが継続率向上の威力だ。
継続率を上げた5つの方法
方法①:入会後1週間以内の「小さな成功体験」を設計する
最も退会が多いのは入会から1ヶ月以内だ。理由は「効果を実感できない」ことが多い。
解決策:入会後最初のセッションで「今日できた小さな変化」を必ず言語化して伝える。体重が変わっていなくても「フォームが綺麗になった」「前回より5kg重いものを持てた」という小さな成功を具体的に言葉にする。
cortisでの具体的な実施方法:
- 入会時に「初回カウンセリングシート」を記入してもらい、現在の体力・体型の基準値を測定(体重・体脂肪・最大挙上重量など)
- 第1セッション終了後に「本日の記録カード」を手渡し、「○○kgのスクワットが10回できました」と数字で記録
- 第2セッション冒頭で「前回からの変化」を必ず言語化してフィードバック
この施策導入後、入会1ヶ月以内の退会率が約18%から約7%に低下した。人は「変化している」という感覚があれば続ける。変化を感じられない→モチベーション低下→退会、というサイクルを最初の1週間で断ち切ることができた。
方法②:LINEでの「ちょうどいい頻度」のフォロー
入会後2週間目以降、週1回のペースでLINEメッセージを送るようにした。
内容は:
- 「今週の食事記録、見せてください」
- 「前回のスクワット、○○kgでしたが、今週は○○kg試してみてください」
- 「なんか困ってること、あります?」
ポイントは「セッション外でも関係を維持すること」だ。週1回のセッションだけでは月4回しかコミュニケーションがない。週1回のLINEを加えることで接触頻度が2倍になる。
cortisでの具体的な実施方法:
- LINE公式アカウントではなく、トレーナー個人LINEで送ることで「人間関係」を演出
- メッセージテンプレートを3種類用意し、週ごとにローテーション(飽きさせない工夫)
- 返信が来た場合は必ず24時間以内に返答するルールを設定
- 月1回は「今月の振り返り」として少し長めのメッセージを送付
送りすぎ(毎日)は逆効果。週1回がちょうどいい。このLINEフォロー導入後、2〜3ヶ月の継続率が約15%向上した。
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無料体験の詳細を見る →方法③:「入会3ヶ月目」に意図的な会話を設ける
統計的に、入会から3ヶ月前後に退会が多い。理由は「最初の目標(体重-5kg等)を達成/諦めた」タイミングだからだ。
私は入会から3ヶ月経った会員に対して、必ず「次の目標設定セッション」を組む。「ここまで来たこと」を数字で振り返り、「次の3ヶ月でどうなりたいか」を再設定する。
cortisでの具体的な実施方法:
- 入会から90日前後に「90日振り返りシート」を作成し、数字の変化を可視化(体重・体脂肪・挙上重量・体型写真の比較)
- 「ここまでの変化のサマリー」と「次の3ヶ月の新目標」を1枚の紙にまとめてお渡し
- 新目標には「中間チェックポイント(45日後)」も設定し、途中での達成感を設計
目標がリセットされると、人はもう3ヶ月続ける。この「3ヶ月ごとの目標リセット」施策導入後、3〜6ヶ月の継続率が約22%向上した。cortisでは現在、6ヶ月以上継続している会員が全体の約60%を占める。
方法④:「紹介した人」が辞めにくい構造を使う
紹介制度を導入した後、気づいたことがある。
紹介した会員は「自分が連れてきた人が辞めたら申し訳ない」という感覚を持つ。これが強力な継続動機になる。
紹介経由で入会した会員の3ヶ月継続率は、通常入会の会員より約20%高かった(cortisのデータ)。
cortisでの具体的な実施方法:
- 紹介制度:紹介者に「次月の会費から5,000円引き」を適用(被紹介者にも「初回体験無料」の特典付与)
- 紹介者と被紹介者が一緒にセッションできる「ペア体験セッション」を月1回提供
- 紹介が発生したタイミングで「ありがとうカード」を手書きで送付
これは「紹介者への責任感」が働くためだと考えている。紹介制度は単に新規獲得コストを下げるだけでなく、既存会員の継続率も上げる構造になっている。cortisでは紹介経由の入会が全体の約35%を占め、この層の継続率は他の経路より安定している。
方法⑤:退会申し出に「1ヶ月の休会」という選択肢を提示する
「退会したい」という連絡が来たとき、最初に試みるのは「完全退会か休会か」の選択肢の提示だ。
「仕事が忙しくて」「お金が厳しくて」という退会理由の大半は、「少し間が開けばいい」という状況だ。1〜2ヶ月の休会を認めることで、約40%の退会申し出が「復帰」に変わった(cortisのデータ)。
cortisでの具体的な実施方法:
- 退会申し出には必ず「理由のヒアリング」を行い、休会・プラン変更・頻度調整など複数の選択肢を提示
- 休会中は月会費を通常の30%(約13,500円)に減額し、月1回のセッション権利を維持
- 休会中も月1回のLINEで近況確認を継続(「復帰のタイミング、いつ頃になりそうですか?」という軽い声かけ)
- 復帰時には「復帰特典(次月会費10%引き)」を用意
重要なのは「休会中も月に1回、軽いLINEを送る」こと。繋がりを維持しておくことで、復帰のハードルが下がる。cortisでは過去3年間で「退会→休会→復帰」した会員が全退会申し出の約40%に相当し、この施策がなければそのまま全員が退会していた。
継続率向上で最も重要なこと
5つの方法を紹介したが、これら全ての根底にある考え方は1つだ:
「続けてもらうことはサービスの責任だ」
「辞めるのはお客様の意志」という考え方を捨てたとき、継続率が変わり始めた。
お客様が辞めるのは、続ける「理由」が足りなくなったからだ。その「理由」を提供し続けることがトレーナーとジムの仕事だ。
この考え方を持ったトレーナーがいるジムと、そうでないジムでは、サービスの細部が根本的に違ってくる。セッション中の声かけ、セッション外のフォロー、目標設定の丁寧さ——すべてが変わる。
継続率向上は「テクニック」ではなく「思想」だ。思想が変わると、具体的な施策が自然と変わってくる。
まとめ:継続率を上げる5施策と実績数値
- 入会後1週間以内に「小さな成功体験」を言語化する:1ヶ月以内退会率を18%から7%に改善
- LINEで週1回「ちょうどいい頻度」でフォローする:2〜3ヶ月継続率が約15%向上
- 3ヶ月ごとに「次の目標設定セッション」を組む:3〜6ヶ月継続率が約22%向上
- 紹介制度で「辞めにくい関係性」を作る:紹介経由会員は継続率が約20%高い
- 退会申し出に「休会」の選択肢を提示する:退会申し出の約40%が復帰に転換
これらを組み合わせた結果、cortisジムの3ヶ月継続率は1年目の55%から3年目の83%へ、28ポイントの向上を達成した。
ジム経営でお悩みの方、またはパーソナルトレーニングを検討している方は、cortisマーケティングのLPページも参考にしてほしい。
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横浜市保土ヶ谷区で3年間・継続率83%の実績をもつトレーナーが担当します。
著者について
日原裕太
- 横浜市保土ヶ谷区でパーソナルジム「cortis」を経営(2023年〜)
- NSCA-CPT資格保有
- Amazon Kindle複数本出版
- cortis出版代表・HPマーケティング支援(cortismarketing.com)
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